遺品整理と生前整理。何となく理解しているようで、明確には分からない。この記事に辿り着いたということは、あなたもそのような状況なのではないでしょうか?
結論を先にお伝えすると、遺品整理は家族などが亡くなった後に自宅(お部屋)の持ち物を整理すること、生前整理は本人が元気なうちに自分の自宅(お部屋)の持ち物を整理することです。どちらも整理する点は同じですが、目的やタイミングが異なります。
この記事は、自分の将来を考えそろそろ身辺整理をしようと考えている70〜80代の高齢者、またはそのご家族に向け、遺品整理と生前整理の違い、また生前整理をしておくことでのメリットなどについて解説していきます。
目次
遺品整理と生前整理
まず、遺品整理と生前整理について、それぞれ簡単に説明します。
遺品整理とは?
「遺品整理」とは、故人が生前使っていた家財道具や生活用品、大切にしていた趣味のものなど身の回りにあったものを整理し、故人の暮らしていた家や部屋をきれいにすることを指します。親族の方が亡くなった場合に必要な作業であり、核家族や高齢化などの理由から、近年この遺品整理への注目は高まっています。
生前整理とは?
生前整理とは、生きているうちに死後のことを考えて、自らの意思で身の回りのものを処分したり、財産を整理することを指します。「終活」の一環として、生前整理に取り組む人も増えています。
「終活」「生前整理」と聞くと、高齢の方が取り組むもの、というイメージが思い浮かぶかもしれません。しかし、近年は高齢の方だけではなく、20代や30代といった若い世代の方も終活の利用を始めているのが見受けられます。
遺品整理と生前整理は何が違うのか?
遺品整理と生前整理の違いについて、実際にやる作業に実は大きな違いはありません。 どちらも「必要なものと不要なものを分け、いらないものを適切に整理・処分する」ことが基本です。 では何が違うかというと、以下の3点が大きなポイントになります。
- 整理をおこなう人
- 整理するタイミング
- 整理する目的
遺品整理と生前整理の具体的な違いについて、この3つの視点から具体的に解説していきます。
遺品整理と生前整理をおこなう人が違う
「誰が主体で整理をおこなうか?」という点は、最もわかりやすいのではないでしょうか。「遺品」「生前」という言葉の通りで、亡くなった後に整理するのが遺品整理、本人が生きている間に整理するのが生前整理です。
そのため基本的に遺品整理は残された遺族(正式には相続人)がおこない、生前整理はご本人がおこなうものという認識が一般的です。ただし、どちらも必ず本人だけでやらなければならないものではありません。
家族の協力を得ながら生前整理をする、また遺品整理や生前整理をプロの遺品整理業者に手伝ってもらうという選択肢もあるので、事前にどの選択が自分にとって良いか、この記事も参考にしながら検討すると良いでしょう。
遺品整理と生前整理のタイミングが違う
遺品整理をおこなうタイミング
家主が亡くなった後に整理することは既にお伝えしましたが、「持ち家」か「賃貸物件」かによってそのタイミングは大きく変わります。賃貸物件の場合は早めに片付けをおこなわないと無駄な費用が発生してしまうため、早急に対応する必要があります。
持ち家の場合は、「心の整理がついてから落ち着いておこなう」という選択肢もありますが、家の売却や相続手続きなどのため作業を先延ばしにできないケースもあり、注意が必要です。「遺品整理はいつ始めれば良い? | 遺品整理の開始時期について専門業者視点でアドバイス」でいつ遺品整理をおこなうかについて詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。
生前整理をおこなうタイミング
本人が生きている間であれば、いつでも作業をスタートできます。「終活」と聞くと「人生の最後におこなうもの」というイメージがあり、自分にはまだ早いと考える人も多いのかもしれませんが、実際には自分が今、人生のどのステージにいるのかを知ることはできません。
また、身辺整理には予想以上の労力がかかります。できるだけ自分に体力があり、元気なうちに始めることをおすすめします。いずれにしても、遺品整理よりはタイミングを柔軟に選べるという点は、生前整理の大きなポイントになるでしょう。
遺品整理と生前整理の目的が違う
遺品整理の目的
遺品整理の目的としては、現実的な動機としては以下のようなものが挙げられます。
- 預貯金や貴金属など、資産を把握するため
- 単純に住まなくなった家(お部屋)の片付けのため
相続をおこなう上で資産の把握は欠かせませんし、住まなくなった家を散らかしたままにしておくのは防犯上好ましくありません。
しかし、実際の遺品整理は単純な片付けやゴミ捨てではありません。遺品整理のプロとして日々現場を見ている私たちが考える最大の目的は、「故人の人生、生き様、想い出、想いを見つけ出すこと」です。遺品と向き合うことで「故人への最後のお別れ」をし、物だけでなく心の整理もおこなうことが、遺品整理の本当の目的であると考えています。
生前整理の目的
一方、生前整理をおこなう目的はどうでしょうか。これには、大きく分けて2つの側面があります。
ひとつは、自分の今までの人生を振り返り、最後までより良い人生を送るためです。生前整理をすることで身辺が整い、自分の大切なものを見つめ直すきっかけにもなります。
もうひとつは、将来自分の遺品を整理することになる「残される家族」のためです。具体的には下記のようなことが挙げられます。
- 遺言書やエンディングノートをまとめておく
- 貴重品などをわかりやすくまとめ、すぐに把握できるようにしておく
- 自分が元気なうちに不要なものは片付けておく
こういった整理をすることで、遺品を整理することになる相続人の負担を減らすことができます。 自分の死後、家族や親しい人に自分の意思を伝えるためにできることとして、生前整理は大きな意味をもつでしょう。
生前整理をしておくと、自分の死後の親族が楽になる
生前整理をすることで、自分の死後、遺品を整理することになる家族や相続人の負担を減らすことができます。 例えば、全く何も整理がされていない状態で亡くなった場合を想像してみましょう。
- 遺産相続の手続きに必要な書類や、預金通帳、生命保険の証券などの貴重品がどこにあるのかわからない
- 故人が大切にしていたコレクションがあるが、どのように処分したら良いかわからない
- 物が多く散らかっていて、1つ1つを整理・処分するだけでも膨大な時間がかかる
- 高額と思われる遺品があるが、どのように分配すべきかに苦慮する
このような状態から、一つひとつ作業をしていくのは非常に労力がかかります。
たとえ莫大な遺産がなくても、死後に相続トラブルになるケースは数多くあります。 親族間の不要なトラブルを回避することにもつながりますので、生前整理だけでなく遺言書や財産目録を作っておくこと、エンディングノートを作成や葬儀・お墓の準備など、終活全体のことを考えておくことも検討すると良いでしょう。
自分が元気なうちに整理をしておけば、リサイクル等をうまく活用することで、片付けの費用を安く抑えることも可能です。処分するものを減らすことで、残された家族の費用負担を軽くできるのも大きなメリットと言えるでしょう。
特に家族が遠方に住んでいる場合などは、片付けの負担がさらに大きくなります。遠方の遺品整理については 「整理する家(部屋)が遠方の場合の遺品整理はどうすれば良い? | 遺品整理のプロ視点で解説」 で詳しく解説していますので、どうぞそちらも合わせてご覧ください。
自分の死後に起こることは想像しにくいものですが、残された家族や親族に大きな負担をかけないためにも、前もってできる準備をしておきましょう。
生前整理をすれば遺品整理は不要になるのか?
生前整理を済ませておけば、残される家族が楽になることが具体的にイメージできたと思います。もしかすると「生前整理をおこなえば遺品整理は不要になる」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には亡くなった家主がそこで生活を営んでいた以上、何も片付けが発生しないということはあり得ません。どれだけ完璧に生前整理をしたとしても、必ず遺品整理をする必要が出てきます。
しかし、きちんと整理がなされた状態であれば、残された家族の作業負担は大きく変わります。判断に迷いそうな品物についても、「自分の死後にこうしてほしい」という故人の意思が残されていれば、家族が片付けに思い悩むことも少なくなります。
もし生前整理をおこなわない場合、遺品を整理する際、大量の不用品の整理・処分に追われる可能性があります。故人との想い出を懐かしむ心の余裕もなくなってしまうのでは、あまりに寂しい作業ではないでしょうか。
私たちは、遺品整理は「家族が故人と最後のお別れをする場」だと考えています。生前整理をおこなっておくことで、残された家族が故人との想い出とゆっくり向き合いながら整理をすることができるでしょう。
さらに、生前整理をしていることを家族に伝えたり、または遺品整理を家族にも協力してもらうことで、遺品整理の際にスムーズに作業をおこなうことができるメリットがあります。
生前整理を専門業者に依頼すれば、遺品整理のことも安心
前章では生前整理のメリットについても触れましたが、いざ生前整理を始めようと思っても、途方に暮れてしまう方もいるのではないでしょうか。長年生活をしてきた自宅(お部屋)では家具や物の量も多く、「本当に捨てていいのか…」と悩んで作業の手が止まってしまうという声もよく聞かれます。
また、介護施設への入所やご家族との同居などをきっかけに、なるべく早急に片付けを済ませたいケースもあるでしょう。そんな場合には、専門業者を利用することで、負担を大幅に減らせるかもしれません。私たちもそうですが、遺品整理業者であれば生前整理のサービスもできる場合が多いです。
大きい家具など、処分するだけであれば不用品回収業者でも問題ありませんが、今後を見据えたアドバイスや清掃も含め、手厚いサポートを求める場合は遺品整理業者がおすすめです。
また、自分の部屋に他人を上げて片付けをしてもらうことに、少なからず不安や抵抗を感じる方もいると思います。そのため、どのような業者にお願いするか業者選びが重要になってきますが、生前整理を依頼した際、もし信頼できる業者だったならば、遺品整理についても事前に相談しておくことができます。業者選びについて「失敗しない遺品整理業者の選び方 | 遺品整理10年以上のプロが悪質業者に引っかからないポイントを解説」で詳しく解説していますので、業者選びについてより詳しく知りたい方は、ぜひ合わせて読んでみてください。
さらに、最近では生涯独身で過ごされる方も多くいます。そういった場合にも、生前整理をプロと一緒におこなうことで、自分の死後の遺品整理の不安がだいぶ軽減されることでしょう。
もし、業者選びに迷いがある場合は、ぜひ私たち遺品整理ロードへご相談くださいませ。私たちは、一般社団法人遺品整理士認定協会から優良事業所として認定を受けた遺品整理業者ですので、安心してお任せいただけます。
整理した品の処分方法は?
ものをただ整理しただけでは「生前整理」も「遺品整理」も終わりません。整理した品物の中の不用品は、状態に合わせて手放していきます。
ただ、特に遺品の場合は、どれも故人との思い出があり、捨てる選択ができない方も多くいらっしゃいます。しかし、ずっと置いておくにはスペースがなかったり、汚れていたり壊れてしまって手放した方がいいものもあります。仕分けた後は、それぞれに合わせて対応していきましょう。
買取業者へ
家具家電や貴金属など買取できるものは買取業者に依頼を出しましょう。買取を専門に行っていない業者だと、価値のあるものでも処分されたり、二束三文で買い叩かれてしまう場合があります。鑑定士のいるなど信頼できる業者を選んで依頼しましょう。
廃棄する
壊れている、汚れているなど明らかにごみと判断できる場合は、ごみとして処分します。可燃ごみや不燃ごみ、粗大ごみと各々分別して、回収してもらいましょう。大量にある場合は、業者に回収してもらうのも一つです。
遺品供養や寄付
自分で使用する予定のない遺品や買取に出せない遺品でも、捨ててしまうのは忍びないという場合は、遺品供養や寄付に出しましょう。ただ手放すだけではなく、心の整理にもつながります。
遺品整理ロードの作業実績
遺品整理の作業実績
遺品整理の作業実績1:
東京都三鷹市にてお客さまのご自宅の遺品整理
「東京都三鷹市にてお客さまのご自宅の遺品整理」の作業実績では、7LDKの戸建ての遺品整理を9名で3日間にかけておこないました。遺品整理と同時に買取出来るものがないかを細かくチェックし、アクセサリー、時計、ギターとその機材など、約19万円の買取りとなり、その分は遺品整理の作業費から相殺させていただきました。
遺品整理の作業実績2:
千葉県船橋市にて売却予定のお部屋の遺品整理
「千葉県船橋市にて売却予定のお部屋の遺品整理」の作業実績では、3LDKのマンションの遺品整理をおこないました。作業後の清掃は基本サービスとしておこなっていますが、遺品整理後には売却予定とのことでしたので、この事例でもしっかりと清掃をおこない、全てのお部屋を綺麗にしお客さまへお戻ししました。
遺品整理の作業実績3:
埼玉県和光市にて福祉施設内の遺品整理のご依頼
「埼玉県和光市にて福祉施設内の遺品整理のご依頼」の作業実績では、福祉施設で亡くなった方のお部屋の作業でした。遺品整理ロードでは、福祉施設からリピートでご依頼いただくケースも多く、サービスに満足いただいている証だと捉えています。
生前整理の作業実績
生前整理の作業実績1:
東京都小平市にて認知症に伴う引越しのための生前整理・家財撤去
「東京都小平市にて認知症に伴う引越しのための生前整理・家財撤去」の作業実績では、長野県に住む親族の方からのご依頼でした。認知症になったお姉さまを長野にお連れすることになり、ご自宅の整理を行なった事例です。
生前整理の作業実績2:
東京都西東京市にてゴミ屋敷状態のお部屋の生前整理
「東京都西東京市にてゴミ屋敷状態のお部屋の生前整理」の作業実績では、古い新聞や雑誌が大量に積まれた状態のゴミ屋敷状態のお部屋の生前整理でした。ゴミ屋敷の整理・清掃の実績は多数ありますので、このような現場も問題なく対応することができます。
生前整理の作業実績3:
東京都大田区にて入院に伴う家財の生前整理のご依頼
「東京都大田区にて入院に伴う家財の生前整理のご依頼」の作業実績では、ご本人が病気になり入院することになったため、ご親族より依頼いただき生前整理を行った事例です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事を読む前と比べ遺品整理と生前整理の違いについて、理解がふかまったのではないでしょうか。
私たち遺品整理ロードは、遺品整理も生前整理も数多くの現場を経験しており、最も得意とする分野です。それぞれサービス詳細ページをご用意していますので、気になるようでしたらぜひ詳細ページも一緒にご覧ください。
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