遺品整理をしなければならないが、「実際にいつ始めればよいか判断できない」「多くの人はどのタイミングで遺品整理を行っているか」「一般的なタイミングだけでも知りたい」
この記事にたどり着いたということは、あなたもそのような思いを持っているのではないでしょうか?この記事では、遺品整理を始める一般的なタイミングや最適な時期の見極め方、時期が遅くなることでのデメリットなどについて解説していきます。
目次
遺品整理はいつ始めるのが良い?一般的な遺品整理開始のタイミングをご紹介
葬儀が終わってすぐ:亡くなってから1週間〜2週間くらいが目安
一般的に通夜は故人が亡くなった翌日、葬儀・告別式は翌々日におこないます。遺品整理は多くの遺族が集まる葬儀の時と紹介しているホームページもありますが、実際葬儀の時はやるべきことが多く難しいと思います。そのため、どんなに早くても葬儀・告別式が終わってから数日経過してからになるでしょう。
遺品整理の時期が葬儀後すぐが良いケース
- 故人の住居が賃貸物件のケース
- 孤独死など特殊な事情があるケース
役所関連、年金、公共料金など、諸々の手続きが終わってから:亡くなってから2週間〜1ヶ月くらいが目安
故人が亡くなった後は、死亡届の提出、火葬許可証の取得、年金や社会保険などの手続き、その他公共料金や金融機関、生命保険に関する手続きなどが必要になります。これらの手続きはそれぞれ期限が定められていて、あまり時間に余裕がないと思われますので、手続きが終わり落ち着いたタイミングで遺品整理を行うケースが多いです。
遺品整理の時期が諸々の手続き後が良いケース
- 故人の住居が賃貸物件のケース
- できるだけ早く遺言書や権利書などを把握したいケース
四十九日の法要が終わってから:亡くなってから2〜3ヶ月くらいが目安
四十九日の法要では遺品整理を行う義務がある相続人(多くは親族)が集まりますので、そのタイミングで行うケースです。故人が亡くなった後の各種手続きも終わり、落ち着いた段階で多くの親族が集まる四十九日の法要は良いタイミングの一つと言えるでしょう。
遺品整理の時期が四十九日の法要後が良いケース
- 少し落ち着いてから遺品整理を行いたいケース
- 相続人が遠方に住んでいて集まりにくいケース
相続税の申告期限前:亡くなってから7〜8ヶ月くらいが目安
故人の遺産が相続税の非課税額を超え、相続税の納税義務者になる場合は、「被相続人が死亡したことを知ってから10ヵ月以内」に申告手続きをする必要があります。この申告手続きを一つのタイミングに遺品整理を行うケースです。
相続税の申告手続きには、遺品整理を行い相続財産を特定する必要があります。銀行通帳や生命保険、権利書などの不動産関係の書類を見つけ出す必要がありますし、場合によっては貴金属や骨董品も相続対象となるため、これらの遺品を把握することが求められます。
不動産などは査定が必要になることから、相続税の申告期限ギリギリではなく、故人が亡くなってから7~8ヵ月以内には遺品整理をおこなうことが望ましいでしょう。
遺品整理の時期が四十九日の相続税の申告期限前が良いケース
- 相続税の納税義務者であるケース
- 十分に時間をかけて遺品整理を行いたいケース
気持ちが落ち着いてきたタイミング:特に期限を決めない
故人が亡くなったことによる気持ちの落ち込みは人によって違います。比較的すぐ気持ちの整理ができる人もいれば、なかなか気持ちの整理ができない人もいるでしょう。特に期限を設けず気持ちが落ち着いてからおこなうのも選択肢の一つです。
遺品を整理していると、否が応でも故人と向き合うことになります。気持ちが整理できていなければ、遺品整理が進まないだけでなく、より悲しみが深まるかもしれません。そういう場合は無理に進めるのではなく、気持ちの整理を優先しながら時期を見極めることをおすすめします。
ただし何年も遺品整理を先延ばしてしまうと、デメリットが発生することもあります。この先の章「遺品整理の時期が遅くなることによるデメリット」の内容も頭に入れながら、時期を決めていくことをおすすめします。
遺族にとって遺品整理をする最適な時期の見極め方
大きく分けて「持ち家」か「賃貸物件」かの2つの視点で見ることが大事だと私たちは考えています。それぞれ詳しく解説していきます。
持ち家の場合の遺品整理のタイミング
遺品整理をいつ行うか、その時期について正解はない、というのが正直なところです。
前章でお伝えした通り、色々なタイミングが考えられるからです。故人が亡くなったショックで気持ちが落ち込み遺品整理なんてとても手がつけられないという方もいれば、気持ちをすぐ切り替えて少しでも早く整理してすっきりさせたいという方もいるでしょう。
また、遺品整理を自分たちで行うか、それとも遺品整理業者にお願いするかでも変わってきます。もし自分たちで遺品整理を行う場合は、様々なことを考慮する必要があります。
複数の遺族で遺品整理を行う場合は日程の調整が必要ですし、遠方の実家の遺品整理ということであれば、夏休みなど長期休暇を活用して遺品整理を行う必要があるといった場合もあるでしょう。遠方の実家を全国各地に住んでいる複数の遺族で集まって遺品整理するといった場合は、なおさら日程の調整が大変になってくるでしょう。
遺品整理を行う場所が遠方の場合については、「整理する家(部屋)が遠方の場合の遺品整理はどうすれば良い? | 遺品整理のプロ視点で解説」で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください
このように遺品整理を行うといっても、それぞれの状況が違いますので、これが正解というものはありません。一般的なタイミングを参考にしつつ、自分たちの状況、また自分たちで行うか遺品整理業者に依頼するかも踏まえ、いつ遺品整理をするか遺族で話し合って決めるのが良いでしょう。
時期を決める前に、「遺品整理がなかなか進まない理由」についても知っておいて欲しいと思います。この記事の本題とは少し離れますが、知っておいて損はないと思いますので、遺品整理が進まない理由について、ここでお伝えしたいと思います。
遺品整理がなかなか進まない理由
必ずしも持ち家の場合に限らず賃貸物件の場合でも同じことが言えますが、賃貸物件の場合は退去をしなければ賃料の支払いが発生するため、なかなか進まないといったことは起きにくいものです。そのため、ここでお伝えすることの多くは、持ち家の場合に起こりやすい現象として解説を進めます。
故人のことを思い出し辛い気持ちになる
遺品整理をすることが故人とのお別れの場となり、気持ちの整理ができる方がいます。一方で故人との思い出が脳裏に甦り大きな悲しみを感じ、整理する気持ちにどうしてもならないという方もいます。
例えばアルバムなどがイメージしやすいでしょう。アルバムを見れば当然さまざまな思い出が甦ってくるものです。他にも父親が長年大切に履いていた靴、母親がよく持ち歩いていたバッグなど、故人が大切にしていたもの、また昔いっしょに遊んでいたおもちゃなど、残された遺族にとって思い出深いものを見ると胸が詰まることもあるでしょう。
このように故人のことを思い出すと辛い気持ちになり、遺品整理が進まないといったことがよくあります。
残すものと処分して良いものの判断ができない
これも気持ちの部分と関係してくることですが、遺品を残すものと処分するものとに仕分けするにあたり、どれを残せばいいか判断がつかないといったことも十分考えれらます。あまりにもそのように判断できないものが多いと、なかなか進まないことは容易に想像できますよね。
注意したいのは、そのような状態でも無理に遺品整理を進め、そのうち判断すること自体が面倒になり、本来残すべき遺品だったのに処分してしまうことです。処分してしまったら、もう元には戻せません。この記事を読んでくれているあなたには、間違ってもそのようなことがないようにしていただきたいと強く思います。
遺品が大量にあってどうすればいいか分からない
故人がある程度綺麗にものを整理していた方であれば遺品整理も進めやすいですが、ものをなかなか捨てられないタイプだった場合、遺品が大量にありその量に圧倒され、どこからどう手をつけて良いか分からず遺品整理を進められないというケースがあります。
遺品整理は上記のようにストレスを感じることが多いものです。遺品整理を行う際にストレスを感じやすいケースや対処法について別記事「遺品整理時にストレスを感じやすいケースと対処法について、遺品整理のプロが解説します!」で詳しくお伝えしていますので、遺品整理がなかなか進まない場合や、これから遺品整理を行うタイミングの方は、ぜひ合わせてご覧ください。
この遺品が大量で進まないケースについては、専門の遺品整理業者に依頼すれば一気に解決しますので、遺品の量でお困りの際は、専門の遺品整理業者に依頼することが良いでしょう。
賃貸物件の場合の遺品整理のタイミング
賃貸物件の場合は、持ち家のように「ゆっくり自分たちのタイミングで」という訳にはいきません。なぜなら部屋を綺麗にして退去するまで賃料が発生し続けるからです。そのため、できる限り早急に遺品整理を進める必要があります。
賃貸物件の場合も最適なタイミングがあるわけではありませんが、持ち家と違って限られた時間の中で進める必要性があることは大きな違いです。時間との勝負にもなってきますので、遺品整理業者に依頼することも選択肢の一つとして、依頼するのではあれば早めに業者の選定を行い、遺品整理を進めるようにしましょう。
遺品整理の時期を決めるために流れを把握しておく
遺品整理の時期を決めるためには、遺品整理の流れについて大まかでも把握しておく必要があります。ここでは、一般的な遺品整理の流れについて解説していきます。
自分たちでおこなう場合
自分たちで遺品整理をおこなう場合は、以下のような流れになります。
- 遺品を「必要なもの」と「捨てるもの」とに分ける
- 捨てるものを分別して処分する
- 必要な遺品を「残して分配するもの」と「買取してもらうもの」に細かく分ける
- 買取してもらう遺品を買取業者に売却
- 整理整頓・清掃
遺品を処分する際の注意点としては、各自治体ごとに廃棄方法が異なることです。そのため、事前に各自治体のルールを確認し、そのルールに従って処分しましょう。
遺品整理業者に依頼する場合
遺品整理業者に依頼する場合は、以下のような流れになります。
- 遺品整理業者を探してお問い合わせする
- 見積もりを依頼する
- 打ち合わせを行う
- 遺品整理を行う
- 部屋の状況を確認し、支払いをする
- 必要なものは後日郵送される
遺品整理を納得するものにするには、信頼できる遺品整理業者を見つけることです。といっても、どのように信頼できる遺品整理業者を見つければ良いか分かる方はほぼいないでしょう。
もし良く分からないという場合は「失敗しない遺品整理業者の選び方 | 遺品整理10年以上のプロが悪質業者に引っかからないポイントを解説」を合わせてご覧ください。悪徳業者を避けることを主に解説した記事ですが、記載されている内容と逆の業者を探すことで、良い業者に出会う確率をあげることができます。きっと業者選定に役立つと思います。
遺品整理の時期が遅くなることによるデメリット
最後に遺品整理を先延ばししてしまうことで発生するデメリットについて触れたいと思います。
遺品の状態が悪くなってしまう
遺品の状態が良ければ買取ってもらえたものが買取ってもらえない、もしくは買取ってもらえたとしても、価値が下がり買取金額が著しく低くなるといった可能性があります。特に紙製品や衣類などは、時間の経過とともに痛みやすくなるので注意が必要です。
無駄な賃料を支払い続ける必要がある
「賃貸物件の場合の遺品整理のタイミング」の章でもお伝えしましたが、賃貸物件の場合、部屋を綺麗にして退去するまで賃料が発生しつづけることは大きなデメリットになります。賃料を支払い続けても良い、なんて方はほぼいないでしょうから、いち早く遺品整理を行う必要があります。
固定資産税などの税金がかかる
固定資産税や都市計画税などの税金は、家屋や土地を所有している限り課税されます。そのためもし近い将来に家の売却を検討している場合、遺品整理が遅れるとこれらの税金を無駄に支払うことになるので注意が必要です。所有者が亡くなっている場合は相続人に納税する義務が発生します。
ただし、税金の支払いを理解した上で特に近い将来に売却する予定がなければ、この点はデメリットにはなりません。
相続手続きに支障をきたす
遺品の中には貴重品や貴金属など、相続の対象となるものが含まれている可能性があります。相続対象の遺品が含まれている場合、遺品整理が遅れると、相続財産の特定が遅れ、遺産分割協議、相続税の申告手続きなどに影響を及ぼす可能性があることを頭に入れておく必要があります。
また、遺言書や権利書の発見が遅れることも、相続手続きに影響を及ぼすことになります。
空き巣などの事件、火災や倒壊の事故のリスクが高まる
近年、「空き家問題」が加速していることは一度は耳にしたことはあるのではないでしょうか?具体的なリスクとしては下記のようなものがあります。
- 空き巣に入られる
- 放火、タバコのポイ捨て、ガス漏れ・漏電などによる火災
- 家屋の老朽化による倒壊
このように故人が住んでいた持ち家が空き家になると、さまざまなリスクが生じることを理解しておく必要があります。これからのリスクについて、それぞれ詳しく解説していきます。
空き巣に入られる
当然ですが人気のない家は、空き巣に狙われ易く格好のターゲットになり易いと言えるでしょう。空き巣に入られると家具や家電などが盗まれるだけでなく、不法占拠されるなどの可能性があることも知っておく必要があります。また、犯罪者の隠れ家ともなったり、麻薬取引など密売の場所として利用される可能性もあるため、注意が必要です。
放火、タバコのポイ捨て、ガス漏れ・漏電などによる火災
空き家でも火災が起こることを頭に入れておきましょう。空き家の火災の原因としては、放火、タバコのポイ捨てが草木やゴミに燃え移る、老朽化やネズミが住みつき配線をかじるなどが原因によるガス漏れや漏電などが考えれらます。
家屋の老朽化による倒壊
特に築年数が古い持ち家は、そのまま放置すると老朽化が急速に進む可能性があります。老朽化が進み倒壊などしたら大変です。また、持ち家が「特定空家」に指定された場合は、固定資産税が最大で6倍になるためその点にも注意しなければなりません。
※特定空家とは、そのままにしておくと倒壊の危険や不衛生、景観に悪影響を与えるなどの状態にあり、そのまま放置してはならないと認めらされた空家などのことです
もし遺品整理が先延ばしになってしまう場合でも、現金や貴重品などは相続人で持ち帰るなどし、家についてはブレーカーを落とし、ガスの元栓も閉めておく、また定期的に訪問し家の周りをきれいにする、倒壊の危険性が高まっていないか確認するなど、自分たちでできることは積極的に対応することをおすすめします。
この記事では、遺族など自分たちで遺品整理をおこなうことを前提にした記事のように感じるかもしれませんが、基本的には専門の遺品整理業者に依頼するときも考え方は一緒です。遺品整理を自分たちでおこなうことは選択肢の一つですが、体力的にも精神的にも大変です。また、遺品整理を専門業者に依頼することのメリットもあります。 もし、専門の遺品整理業者に依頼することを考えているようでしたら、私たちロードにお手伝いさせてください。
電話(0120-536-610)、お問い合わせフォーム、LINEなどお好きな方法でご連絡いただければ喜んで対応させていただきます。すぐにでも見積もりが欲しいとお考えでしたら、無料お見積もりフォームからご連絡ください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。遺品整理を始める時期についてのヒントを得ることができたのではないかと思います。記事内でも書きましたが、最適なタイミングは残されたご遺族の状況によって異なりますので、正解はありません。
この記事が、あなたを含めご遺族にとって最適なタイミングを見つける何かしらのきっかけになれば嬉しいです。
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