
孤独死が発生した現場など特殊な現場の清掃を、専門業者に依頼したのに「死臭が取れていない」。まさか?とも思うかもしれませんが、このような事態に遭遇するケースも少なくありません。
実は、死臭などのニオイの完全除去には高度な技術や知識、経験が必要ですが、業者によって大きな差があります。
この記事では、なぜニオイが残ってしまうのか?、そして「本当に消臭できる業者」を見極めるための具体的なポイントなどを丁寧に解説します。
この記事の対象は、特殊清掃業者に依頼したのに死臭が取れずやり直しを検討している方ですが、初めて依頼する方にも参考になる記事となっています。
目次
なぜ特殊清掃で死臭が残るケースがあるのか?失敗の原因と再発防止の鍵は?
特殊清掃と単なる「片付け」や「掃除」は全く異なります。死臭が残ってしまうのには、明確な理由と、知識や技術がない未熟な業者が陥りがちな落とし穴があるのです。
この章では、ニオイが残る根本原因を理解し、もう2度と失敗しないよう知識を深めていきましょう。
一般的なハウスクリーニングとの決定的な違い
表面的な清掃だけで「消臭した」と言われた事例
孤独死などの特殊な現場を清掃する特殊清掃と一般的なハウスクリーニングは、目的も必要な技術もまったく別ものです。通常の清掃は目に見える汚れや軽度なニオイを対象としますが、特殊清掃は体液や死臭といった“見えない汚染”に対応する高度な作業です。
これらの汚染物質は一般的な洗剤や機材では歯が立ちません。微生物レベルでの除菌や臭気の除去が必要となるため、専門知識と専用機器が不可欠です。また、建材の奥深くまで浸透することがあり、そのような場合、いくら目に見える部分を綺麗にしたところで、絶対にニオイを無くすことはできません。
このように、対応を誤ればニオイが残って再施工になるリスクがあるのが特殊清掃です。
死臭のメカニズムと建材や残置物への浸透
死臭の原因は、ご遺体の腐敗によって発生する硫化水素やアンモニア、メタンチオールなどの物質が混ざり合うことでガスが発生します。そして発生したガスは空気中に拡散します。
また、腐敗が進むと、体内の水分や血液などの体液が漏れ出し、床材(畳、フローリング、カーペット)や壁、場合によっては家具などの残置物に染み込みます。これらが時間の経過とともにさらに腐敗し、臭気を強めていきます。
これらがニオイの主な原因なのですが、根本的に消臭するには、建材の一部撤去や薬剤処理、オゾン脱臭など専門的な知識と機材による処置が不可欠となります。
「消臭できる業者」とは?技術力・対応力から見る選定基準
もう失敗は許されない状況では、特殊清掃業者の技術力と、どのような現場でもニオイを取り切る対応力を見極めることが何より重要です。単に「やります」という言葉だけでなく、具体的な実績や経験に裏打ちされた業者を選びましょう。
他社で失敗した現場の特殊清掃のやり直しの実績がある
他社の失敗を引き継ぐ形でやり直しの実績がある業者は、他社の施工ミスをリカバリーできる高度な技術と豊富な経験を持っていると言えます。
特にニオイが残った物件の消臭のやり直しは、前回の施工状況やニオイの原因を正確に特定する必要があること、また状況に応じた適切な対策が必要となり、通常の特殊清掃以上に難易度が高い作業となります。
こうした難しい現場での成功事例がある業者は、対応力の高い証です。そのため、気になる業者が見つかったら、やり直しの実績があるかどうか、ホームページ上で確認したり、分からない場合は直接問い合わせて聞くなど、何かしらの方法で確認することをおすすめします。
ちなみに私たちロードでは他社に依頼してニオイが落ちずやり直しした実績はもちろん、同業者から「うちでは対応できないから協力してもらえないか」と相談を受けて対応したケースもあります。
ニオイの原因に応じた適切な処理ができる(オゾン脱臭、薬剤処理、解体清掃)
ニオイの状況に応じて、オゾン脱臭機の使用や特殊薬剤の選定、必要に応じた解体清掃など、適切な処理を行えるかが消臭においては重要なカギとなります。
「消臭できる」と謳っていても、単一の方法だけでは完全な臭気除去は困難です。オゾン脱臭は強力ですが、建材に染み込んだニオイは薬剤処理や建材撤去が必要になる場合もあるからです。
消臭は、現場の状況を正確に診断し、最適な複数のアプローチを組み合わせられる知識と確かな技術が求められます。
これらをもちあわ褪せているかどうか、素人が見極めるのは簡単ではないですが、次にあげるチェックポイントをぜひ参考にして、業者選びを進めてみてください。
消臭できる特殊清掃業者を見分ける5つのチェックポイント
以下の5つのチェックポイントは、業者の本質的な信頼性と技術力を見抜くための重要な指標となります。
作業プロセスの説明が丁寧で明確
作業の流れを事前に丁寧に説明し、作業の各段階で何を行うかが明確な業者は信頼できる業者と言えるでしょう。
優良業者は問い合わせから見積り、作業開始から完了までの全プロセスを開示し、「いつ、何を、どのように」作業するかを具体的に説明してくれる業者は安心です。少しでも気になる点や不明点があるようでしたら、遠慮せず納得するまで質問しましょう。
その対応も信頼できる業者かどうかを判断するポイントになりますので、注意深く見ておくことをおすすめします。
見積りの費用の内訳が明確になっている
見積りが「消臭作業」「薬剤費用」など細かく内訳が記載されているかしっかり確認するようにしてください。信頼できる業者は、使用する薬剤や機材、人件費など費用の詳細を明確に提示してくれるものです。
一方、「一式」など曖昧な見積りを提示してくる業者は依頼しない方が良いでしょう。
また、追加費用が発生する可能性があるかどうか、可能性がある場合はどのような場合に発生するか、確認するようにしてください。
有資格者(OST脱臭技術者、脱臭マイスターなど)が在籍している
特殊清掃や消臭には高度な専門知識と技術が求められます。OST脱臭技術者や事件現場特殊清掃士の資格を持つスタッフが在籍している業者は、確かな知識とスキルに裏付けられた対応が期待できます。
特にニオイのメカニズムや消臭技術に精通したOST脱臭技術者の存在は、安心して依頼できる大きなポイントです。問い合わせ前に確認することをおすすめします。
口コミにニオイに関するクレームがない
ネット上の口コミやレビューは、業者の評価を見極める一つの目安になります。「ニオイが残った」などのネガティブ評価がある場合は、その業者への依頼は避けた方が良いでしょう。
逆に「他社で取れなかったニオイをとってもらうことができた」といったコメントがある業者は消臭スキルが高い可能性がありますので、そのような口コミがある業者は候補の1つとして見ておくと良いでしょう。
連絡のスピードと担当者の誠実な対応
特殊清掃の現場では、スピードが求められることが多いため、初動の連絡や対応の速さが非常に重要です。問い合わせへの返信が遅い業者は、適切な現場対応も期待できません。
また、担当者の言葉遣いや説明のわかりやすさ、誠実さも判断材料になります。質問に対して親身に答え、メリット・デメリットを正直に伝える担当者なら安心です。急ぎの案件ほどスムーズなやり取りが重要で、コミュニケーションの良い業者を選びましょう。
1つ注意点を挙げるとすれば、見積り金額だけで決めてしまうのは非常に危険です。見積りが明確かどうかはもちろんのこと、対応が丁寧か、必要な知識や技術がありそうか、実績は十分かなど、総合的に判断することが重要です。
特殊清掃の失敗を繰り返さないための「聞くべき質問」チェックシート
完全な消臭を実現するために、業者に聞くべき具体的な質問をまとめました。これらの質問は、業者の実力を見極めるヒントになることでしょう。
前回ニオイが残ったのですが、貴社ならなぜ確実に消せると言えますか?
失敗した経験があるからこそ、次に依頼する業者を選ぶ際は根拠ある説明を求めるようにしましょう。消臭技術や使用機材、作業手順について具体的に説明してくれるかは信頼のバロメーターになるでしょう。
曖昧な返答ではなく、前回の失敗原因(例:表面的な清掃、薬剤選定ミス、建材内部への浸透見落としなど)を推測し、確実に消臭するプロセスや機材、ノウハウを明確に示せる業者こそ信頼できます。
「他社でできなかった原因は〇〇の可能性があり、当社は△△の技術で徹底対処します」と具体的な回答をしてくれるか注目しましょう。
過去の成功・失敗事例(困難だった事例)を教えてください
成功事例だけでなく、失敗経験や困難なケースをどのように乗り越えたかを率直に話してくれる業者は、現場経験が豊富な可能性がありますし、何より誠実な業者であると言えるでしょう。
課題に真摯に向き合い、問題解決のためにどのような工夫をしたかを聞くことで、その業者の対応力や仕事への姿勢について垣間見れるかもしれません。
万が一、またニオイが残った場合の費用負担はどうなりますか?
もしニオイが残ってしまった場合の対応については、事前に必ず確認すべき重要なポイントです。保証制度の内容や追加費用が発生する条件を明確にしておくことで、後からのトラブル回避につながります。
曖昧な返答や「まずそんなことはありません」とごまかすような対応は要注意です。代わりに「万が一の場合は無償で再施工します」「〇ヶ月間の保証期間があります」と具体的な保証内容を示せる業者を選ぶと安心です。
「急いで選ばない」が失敗を防ぐ最初の一歩
特殊清掃が必要になる場面は緊急性が高く、業者選定を焦ってしまいがちです。しかし、焦って依頼したことで後悔するケースも少なくありません。まさに、やり直しが必要になったのは、焦ってあまり調べず業者に依頼してしまったからではないでしょうか。
だからこそ「急いで業者を決めない」意識が、結果的に時間とコストの無駄を減らすカギとなります。見積りはもちろんですが、それだけでなく丁寧な対応か、消臭に関する知識や技術がありそうか、実績は十分かなど、さまざまな視点からしっかり検討するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?特殊清掃の現場におけるニオイを取るには専門の知識と技術が必要であること、またどのようにすれば、消臭できる業者を選ぶことができるのか、その辺りの理解が進んだのではないでしょうか。
もう2度と失敗しないために、この記事がお役に立てたなら嬉しいです。
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