マンションでの遺品整理は、戸建てとは異なる状況が発生することがあり、マンションならではの追加費用が発生ケースがあります。
この記事では、遺品整理の費用相場やマンション特有の注意点、業者選びのポイントまでを丁寧に解説。身寄りのない入居者の遺品整理に不安を感じるマンションオーナー向けの記事でありますが、一般のご遺族にとっても役立つ内容となります。
目次
マンションでの遺品整理、費用の目安と相場
間取り・荷物の量で変わる費用の目安
マンションに限ったことではないですが、遺品整理の費用は、主に部屋の間取り（広さ）と遺品の量によって決まります。
それを踏まえマンションの遺品整理の相場をお伝えすると、下記が目安になります。
1R・1K：50,000円～150,000円
1LDK：100,000円～250,000円
2LDK：150,000円～350,000円
3LDK：200,000円～500,000円
ただし、ゴミ屋敷のような状況など遺品が散乱していたり、物で溢れているような状況の場合は相場以上の費用がかかることも少なくありません。
【作業事例】マンションの遺品整理作業実績3選
神奈川県横浜市港南区 | 行政からの依頼による遺品整理 1K／110,000円（税込）
横浜市の港南区で、行政からの依頼で遺品整理を行なった事例です。
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埼玉県越谷市 | 遠方のご遺族さまから一人暮らしのお父さまのお家の遺品整理 479,000円（税込）
ご遺族が遠方にお住まいで現場に簡単には来れないとのことで、動画で室内を確認して頂いた上で見積もりをお出し、作業を進めた事例です。遺品の物量があったため2日間に渡って作業を行いました。
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東京都江東区 | 孤独死が発生したゴミ屋敷状態のお部屋の特殊清掃と遺品整理 1DK／360,000円（税込）
孤独死が発生した現場で、故人は浴槽の中で発見されて死後一ヶ月が経過していました。さらにお部屋の中もかなり荒れており、ゴミ屋敷状態だったお部屋の遺品整理と特殊清掃を行なった事例です。
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遺品整理の費用は何によって決まるのか？
遺品整理費用はさまさまな要素によって最終的な費用が算出されます。これらの要素を理解することで、なぜその費用になるのか、どのような点に注意すれば費用を抑えられるのかが見えてきます。
遺品の量と種類
遺品の量が多いほど、整理や運搬の作業量が増えるため費用も高くなります。また、家財のサイズや種類によっても費用は変動します。特に大型家具や家電製品、重量物などは運び出しやなどの際、専門的な技術や追加の人員が必要になる場合があり、費用が高くなる傾向があります。
部屋数（間取り）と部屋の広さ
部屋数が多い、また部屋のサイズが広ければ広いほど、それに比例して基本的には遺品の量が増えますので費用も上がります。
例えば、部屋数がそれほど多くなくても各部屋が広ければ、それだけ作業範囲が広がるため、人件費や作業時間が増えることになり、結果的に費用が高くなります。
遺品整理の作業内容
基本の作業は仕分け・搬出・処分ですが、オプションで清掃、供養、買い取りなどを依頼することもできます。依頼内容が増えるほど作業工数が増えるため、費用も加算されます。
必要な作業を明確にすることが、納得できる見積もりの第一歩です。
搬出経路
搬出経路の状況も費用に大きく影響します。マンションの場合、エレベーターの有無、部屋からエレベーターまでの距離、共用廊下の広さ、建物の構造などが作業効率を左右します。
特に大型家具や家電の搬出時、エレベーターない場合は通常よりも多い作業員が必要となる場合があり、その分費用も高くなるケースがあります。
遺品整理業者や地域による違い
同じ作業内容でも、業者や地域によって費用が異なることがあります。人件費が高い都市部では費用が高くなる傾向があります。また、業者ごとのサービス内容や料金体系にもばらつきがあるため、複数の業者から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
適正な遺品整理費用を把握するために
これらの要素を総合的に考慮し、マンションの遺品整理費用は決まります。LINEやメールなどで写真を送ってもらい見積もり対応する業者も多数ありますが、正確な見積もり額を知るには、必ず遺品整理業者に現地に訪問してもらい、現場を確認してもらった上で見積もりを出してもらうようにしましょう。
マンション特有の追加費用
マンションでの遺品整理には、一戸建てではあまり発生することのない、マンション特有の追加費用が発生するケースがあります。これらの費用を事前に把握しておくことで、遺品整理を納得のいくものにすることができるでしょう。
養生作業の必要性・搬出経路の制限
マンションでの遺品整理では、エレベーターや共用廊下などの共用部分を使用するため、養生作業がほぼ必須となります。
廊下や壁、床を傷つけないよう専用資材で保護を行う必要があり、この作業には資材費と人件費がかかるため、数千円〜数万円程度の追加費用が発生するケースもあります。
さらに、搬出経路が狭い、複雑な形状をしているといった制約があると、作業効率が下がり、作業時間や人員が増えることで費用がさらに高くなることもあります。
搬出の難易度（階数やエレベーターの有無）
高層階に位置するお部屋や、エレベーターがない・小さい・使用できない場合は、階段を使った手作業による搬出が必要になります。
このような状況では作業員の負担が大きく、運搬に時間と人手がかかるため、人件費が増加し費用も高くなりがちです。
特に大型家具や家電の搬出が難しい場合には、追加の人員手配や特殊機材の使用が必要となることもあり、その分費用がさらに上乗せされる可能性があります。
駐車スペースの問題
マンションによっては作業車両を敷地内に駐車できない場合があり、その際は近隣のコインパーキングを利用することになります。この場合、駐車料金が遺品整理費用に追加され、特に都心部など駐車料金が高い地域では費用がかさむことがあります。
また、駐車場所が離れていると搬出に時間がかかり、人件費も増加しやすいため、全体の費用が高くなるケースがあります。
管理組合への事前申請や規制対応
マンションの管理組合によっては、遺品整理の作業日に関する申請や作業時間の制限、騒音対策などが義務付けられている場合があります。これらの規則に従うためには、事前の調整や手続きが必要で、業者が代行する際は手数料が発生することもあります。
また、作業時間の制約や搬出方法の指定により作業効率が下がると、作業時間の延長や追加作業が生じて費用が増える可能性があります。
管理組合との連絡やルール確認を怠らないことが重要です。
その他、追加費用が必要なケース
遺品整理の基本的な費用以外にも、状況によっては追加費用が発生するケースがあります。これらは通常の遺品整理では発生しない特殊なケースですが、事前に知っておいて損はないでしょう。
特殊清掃が必要なケース
入居者が室内で亡くなり、発見が遅れて腐敗が進んでいる場合には、特殊清掃が必要となります。体液の除去や消臭、除菌・殺菌作業は専門的な技術と専用の薬剤を要し、通常の清掃とは異なり高額な費用がかかります。
特殊清掃費用は数万円から十数万円に及ぶこともあり、原状回復のためには欠かせない重要な作業です。こうしたケースでは追加費用が発生することを理解しておくことが大切です。
害虫駆除が必要なケース
例えばお部屋がゴミ屋敷状態の現場では、ゴキブリやハエ、ダニなどの害虫が発生しているケースが往々にしてあります。こういった現場では、遺品整理と並行または事前に駆除作業を行うことが多く、これに伴う追加費用が発生します。
特にマンションでは、害虫が他の住戸に広がるリスクがあるため、徹底した処理が求められます。害虫駆除は専門的な対応が必要なため、通常の遺品整理費用とは別途での見積もりとなることが一般的です。
マンションオーナーが知っておくべき遺品整理の基本情報
マンションオーナーにとって、入居者の遺品整理は、通常の賃貸経営とは異なる専門的な知識が必要となる場合があります。特に、入居者に身寄りがいないケースや、費用負担について知っておくべきポイントがあります。
遺族がいない・連絡が取れない場合はどうなる？
入居者が亡くなったら、まずはご遺族に連絡を取ることになりますが、身寄りがない、またはご遺族と連絡が取れない場合、遺品整理を進めるには家庭裁判所での手続きが必要になることがあります。
なぜなら、法律では相続人が遺品整理を行う義務があり、一般的には故人の配偶者や子どもに義務が発生します。オーナーだからといって勝手に遺品整理を行うことは基本的にできません。
このようなことから、まず連帯保証人や相続人の有無を確認し、見つからなければ相続財産管理人の選任を家庭裁判所に申し立てる必要があり、通常より時間や費用がかかる可能性があります。
遺品整理の費用は誰が払う？
法的な支払い義務の所在
遺品は故人の財産となるため、先ほど触れたように遺品整理は相続人が行う義務があり、費用負担も基本的には相続人が負担することになります。相続人が複数いる場合は、原則として相続分に応じて費用を分担します。
しかし、相続人と連絡が取れない場合や相続放棄があった場合は、管理者であるオーナーが一時的に対応せざるを得ないこともあります。
立て替えた場合は回収できる？
マンションオーナーが遺品整理費用をやむを得ず立て替えた場合でも、家庭裁判所の手続きや公的書類を通じて故人の遺産から回収できる可能性がありますが、費用を後から確実に回収できるかどうかは分かりません。
故人に資産が残っていれば、そこから優先的に費用を回収できる可能性がありますが、資産がほとんどない場合は回収できないからです。
このような可能性がある場合、司法書士や弁護士など専門家に相談し、適切な法的手続きを進めることも一つの選択肢です。
マンションの遺品整理は自分で行う？業者に依頼？それぞれのメリット・デメリット
マンションオーナーの立場として、いち早く部屋を空けて次の募集をかけたいはずです。
遺品整理は自分で行う、専門業者に依頼する、大きく分けてこの2つの選択肢がありますが、オーナー目線としてのそれぞれのメリット・デメリットを把握し、最適な方法を選ぶことが求められるでしょう。
自分でやる場合
メリット
費用を抑えられることがメリットとなります。自分で行う場合は遺品を一つ一つ丁寧に確認しながら進められるため、遺族であれば感情の整理にもつながることもメリットになりますが、オーナーの立場であれば、それはメリットにはならないため、基本的には費用面の安さだけがメリットとなるでしょう。
デメリット
遺品整理は時間と体力を要し、特に高齢者や多忙な方には大きな負担となります。大型家具や家電の搬出は専門知識がないとケガのリスクも伴い、マンションの管理規約に基づく分別や養生作業は慣れないと効率が悪く、近隣トラブルの可能性もあります。
遺品整理業者に依頼する場合
メリット
「丸ごと任せられて最短で作業が完了する」点が大きなメリットです。専門知識と経験を持つプロが、分別から搬出まで全て対応し、時間や作業の手間を大幅に軽減します。
デメリット
相応の費用がかかる点がやはりデメリットとなるでしょう。また、信頼できそうな業者選びに時間がかかる（時に失敗することもある）ことも忘れてはいけません。
遺品整理業者を選ぶ際の注意点
マンションオーナーとしては、基本的に遺品整理業者に依頼することが多いと思いますが、多くの方はどの業者に依頼すれば良いか分からないというストレスを抱えることになるでしょう。そこで業者を選ぶ際の注意点をこの章ではお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
現地訪問してくれる業者か
正確な見積もりを出すためには現地訪問をする必要があります。あくまでも遺品整理ロードの考えですが、私たちが現地訪問する理由は「当日作業をしてみると想定より遺品の量が多く全て回収しきれない」といったトラブルを未然に防ぐためであり、このようなトラブルが発生すると、結果的にお客さまにご迷惑をかけてしまうことになるため、現地訪問を基本としています。
現地訪問なしの見積もりでも良いということであれば必須ではありませんが、トラブル発生の可能性が高まることは頭に入れておいて欲しいと思います。
マンションの実績があるかどうか確認
マンションの実績があるかどうかだけでなく、1Rや2DK、3LDKなどさまざまなタイプの部屋の実績があるかどうかも見ておくとよいでしょう。また、マンションだけでなく戸建てで間取りが多いケースの実績があればなお安心でしょう。
さまざまな現場経験を積んだ業者は、どのような現場でも柔軟に対応できるスキルやノウハウが蓄積されていると言えます。
遺品整理士の資格を持っているか
遺品整理士の資格を持っているスタッフが所属している遺品整理業者か確認するようにしましょう。遺品整理士がいるからといって、信頼できる遺品整理業者であるという保証にはなりませんが、遺品整理士の資格は適切な手順、また法令を遵守して遺品整理の作業を進めることができるという一つの目安になります。
作業内容や料金について丁寧に説明してくれるか
見積もりや作業の説明が曖昧な業者は避け、明確に説明してくれる業者を選びましょう。問い合わせから見積もりまでの間の対応も注意深く観察することをおすすめします。
なぜなら、遺品整理業者との相性も、トラブルやストレスなく遺品整理をすすめる上では重要な要素となるからです。感覚的なものですが、ご自身の直感もぜひ大事にされてください。
ホームページのお客さまの声や口コミや評判が良いか
気になる業者のホームページ内に掲載されているお客さまの声や、Googleの口コミを確認し評判を確認しておくと良いでしょう。
追加料金が発生しないか事前に確認する
見積もり後に追加費用が発生しないかを契約前に確認することをおすすめします。見積もり後の追加費用なしと謳っている業者が多いですが、見積もり時にないことを追加で依頼する場合は、基本的には別途費用が発生します。
そのため、どのようなことは費用内で対応してもらえて、どういったことは追加費用になるか、そこまで突っ込んで確認し、事前にトラブルを防ぐようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか？なんとなくでもマンションにおける遺品整理の費用について理解が進みましたでしょうか？
もし、どの遺品整理業者に依頼すればよいか分からないなどのお悩みがありましたら、お問い合わせフォームや公式LINE、 もしくはお電話（0120-536-610）で、ぜひお気軽にご相談ください。
私たちが丁寧に対応させていただきます。
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また、どんなささいなことでも気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
